不動産の売却を検討されている方もいるでしょう。
少しでも有利な条件で売却したいと思うかもしれませんが、その場合簿価について正しく認識することが大切です。
今回は、簿価とはそもそもどのような意味を持つものか、また活用法について解説していきます。
売却を進めていく際、ぜひ本記事を参考にしてください。
不動産売却に重要な簿価とは
簿価とは、もともと会計処理で使用する用語であり、帳簿価格の略称です。
意味としては、取得価格のことをいい、帳簿に記載される金額を表します。
一方、簿価の対義語として使用されるのが時価です。
時価は、不動産の市場価格を表し、主に景気などの要因によって変動します。
不動産でたとえると、5,000万円の土地を購入すれば、帳簿に簿価5,000万円と記録されますが、時価はそのときの経済状況に左右されるということです。
仮に、世がバブル期で土地価格が上昇している経済状況の場合、所有不動産の時価は取得したときの価格、つまり簿価より上昇している可能性もあるでしょう。
なお、土地は年月が経過しても価値は変わりませんが、建物は少なからず経年劣化していきます。
そのため、不動産でも建物は年数が経過していくと、減価償却といって、耐用年数などで定められた一定条件で簿価が減少していきますので、注意が必要です。
不動産売却における簿価の活用法とは
不動産の売買で設定する価格は、基本的に時価ベースで考えます。
そのため、時価が簿価を上回るタイミングは売却に適した時期といえるでしょう。
また、もう1つおさえるべきポイントがあり、それが税金です。
不動産の売却における損益は「売却価格-(取得するときの費用と売却にかかる費用)=譲渡益」というシンプルな計算式で算出します。
もし譲渡益、つまり計算上儲けが出た場合、その金額は課税対象です。
税率は短期譲渡で39.63%、長期譲渡の場合20.315%となります。
このように、税金や住宅ローンの残債まで考慮した手残りが実際いくらになるのか考えていくことが重要です。
なお、買い手から価格交渉されたときも、簿価を知っていると有利に働くことがあります。
買い手は、少しでも安く購入したいと考えるのが一般的です。
しかし、設定している価格が簿価を基準とし、数字にきちんとした根拠があれば、買い手も納得せざるを得ません。