一般的な給与や利子などの所得では、「総合課税」という方式が採用されていますが、土地売却における譲渡所得では「分離課税」が適用されます。
その理由を知っていますか?
今回は、土地売却における譲渡所得で分離課税が適用される理由やメリットについてご紹介します。
税負担について正しく理解して、売却益が想定外の金額にならないための参考にしてみてくださいね。
土地売却において分離課税が適用される理由とは?
そもそも分離課税とは、総合課税と異なり、ほかの所得とは合算せずに単体で算出される課税方式です。
給与所得や利子所得はすべて合算して課税されるのに対して、土地売却などの分離課税が独立している理由は、下記の2つ。
●税金の負担が重くなりがち
土地売却によって得られる利益は、物件の条件などにより異なりますが、高額になるケースもございます。
総合課税としてほかの所得と合算すると、負担が重くなってしまいます。
忘れがちですが、住民税(一律10%)や復興特別所得税(平成23年より実施中)の負担も必要なので、すべてを考慮するとより大きな金額になるでしょう。
●何度も発生する事項ではない
土地売却は、一生のうちに何度も経験することではなく、人によっては1度も経験することのないイレギュラーな事項といえます。
そのため、総合課税とは切り離して考えられており、分離課税が適用されているのです。
このように、土地売却における税負担は大きくなりがちなので、特別な対応として分離課税が適用されていることを覚えておきましょう。
土地売却で分離課税が適用されるメリットとは?
土地売却で分離課税が適用されるメリットは、以下の2つです。
土地売却において大きなプラスになるため、しっかりと理解しておきましょう。
●税金の負担が軽減する
分離課税は総合課税の影響を受けないため、税金の負担が少なくてすむのがメリットです。
そのため、大きな金額が動く土地売却において、利益を追求しやすいといえるでしょう。
●損益通算が適用できる
損益通算とは、赤字と黒字を相殺することです。
分離課税は単独で考えることが可能だと先述しましたが、損益通算においては、土地売却で損失がでた際に総合課税と相殺できます。
たとえば給与所得が300万円、土地の譲渡所得が-80万円だった場合、相殺した220万円が課税対象となるお得な仕組みといえるでしょう。